【アーカイブ】
●『第3世代』イスラエル/ドイツ共同製作(2009、ワーク・イン・プログレス)
ベルリン・シャウビューネ劇場とテルアビブのハビマ劇場による共同製作、ワークインプログレ
ス作品。「ドイツ/イスラエル/パレスチナをめぐる不可能になった対話を再び始めようとする 若い世代の、極めて大胆で真剣な演劇的挑戦」( 新野守広「悲劇喜劇」2010 年 3月号より)。 本作の構成・台本・演出を担当したヤエル・ロネンは1976年生まれ。
●『ほとりで』フランス(2011)
クロディーヌ・ガレア作。イラクのアブグレイブ刑務所における米軍女性兵士によるイラク人捕
虜虐待の報道写真を前に語られる女性のモノローグ劇。昨年度のフランス「劇作大賞」受賞 作。
●『Destination』タイ(2010)
登場人物の女性(78歳)はタイの民主化運動と軍部クーデターなどで夫と別れ、子供を失う苦
難の人生を歩む。作者のプラディット・プラサートーン氏は『赤鬼』(野田秀樹作)出演、同作品 のリケー(タイ大衆演劇)版を演出。タイにおいて社会的・政治的文脈に基づく現代演劇を創作 する劇作家・演出家・俳優。
公益社団法人国際演劇協会は「紛争地域から生まれた演劇4」を12月22日〜30日に開催しま
す。昨年は、3作品の日本初訳初演を実施しましたが、その内、『ボイラーマンの妻』(中国)の 作家莫言は、本年度のノーベル賞を受賞いたしました。また、先住民の被曝体験を独自の語 りで表現した『ナパジ・ナパジ』(オーストラリア)、カメルーンの民主化の苦悩を描く『罠』は「テア トロ誌」に戯曲が掲載と多くの方の関心をいただくこととなりました。みなさまのお力添えの賜物 とお礼申し上げます。
昨年に引き続き、今年も日本初訳初演の3作品を、リーディングとレクチャー、ラウンドテーブ
ルという形でご紹介をさせていただきます。
本年は、ドイツとイスラエル、イスラエルとパレスチナの相互に歴史的な葛藤や対立の深い三
者の若者たちが、困難となった対話の再構築をめざす『第三世代』、演出は今、もっとも注目さ れている劇作家・演出家の一人、中津留章仁。
世界的に流布した報道写真との対話を通じて紛争地域の問題を自己言及するモノローグ劇
『ほとりで』(第一回フランス「劇作大賞」受賞作)。
タイの民主化に向かう激動の時代を寓意的に描く『Destination』は、野田秀樹の『赤鬼』で活躍
したタイ現代演劇の第一人者プラディット・プラサトーンによるもので、元「劇団夢の遊眠社」の 松浦佐知子が出演いたします。
以上、作品のリーディング上演と、合わせて作家のヤエル・ロネン(イスラエル)、プラディット・
プラサートーン(タイ)を招聘し、レクチャー、ラウンドテーブルを開催します。
公益社団法人国際演劇協会日本センターは、リーディングやレクチャーを通して、演劇の研究
者、演出家、俳優、劇場制作者と観客との出会いの場を作り、演劇の持つ批評力を高めるた めの試みを継続して行っています。
主催:文化庁「平成24年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」/
公益社団法人国際演劇協会日本センター(会長:永井多恵子)
企画制作:社団法人国際演劇協会
事業委員長:高萩宏
プロデュース:林英樹
企画委員:小田切ようこ、七字英輔、宗重博之
制作統括:曽田修司
技術協力:レイヨンヴェール
制作協力:シアタープランニングネットワーク、Real Heaven
協力:(株)RUNSFIRST
(有)スターダス・21
(株)スペースクラフト
(株)ディケイド
(株)トップコート
FUKUDA PROJECT
ITIはユネスコの演劇部門を担当する国際組織として計画され、1948年ユネスコ総会において
創設された。現在は86ヵ国が参加し、それぞれがナショナル・センターを持つ国際NGOであ る。1962年3月27日、初めてITIがシアター・オブ・ネイションズ(「諸国民演劇祭」=国際演劇フ ェスティバルの先駆け)をパリで開催した日を記念し、この日が≪ワールド・シアター・デイ≫と なり、各国で記念行事が開催されている。また、1962年のジャン・コクトーをはじめとし、アーサ ー・ミラー(1963)、ジャン・ルイ・バロー(1964)、ウジェーヌ・イヨネスコ(1976)、ピーター・ブルッ ク(1988)、ヴァツラフ・ハヴェル(1994)などが、この日に世界の演劇人に向けメッセージを発信 してきた。
公益社団法人国際演劇協会(会長永井多恵子)は国内の演劇を海外に紹介する英語版≪シ
アターイヤーブック≫、海外の演劇事情を紹介する日本語版≪国際演劇年鑑≫の発行を行う など、国際間の演劇交流の架け橋として様々な交流事業を実施している。 |